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文献詳細

雑誌文献

臨床検査7巻12号

1963年12月発行

文献概要

研究

乳酸脱水素酵素測定法についての二,三の検討

著者: 中村芙美子1 文屋誠二1 上原偉男2 佐藤四郎2

所属機関: 1岡山赤十字病院臨床検査部 2岡山赤十字病院内科

ページ範囲:P.925 - P.927

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はじめに
 悪性腫瘍をはじめ肝・胆嚢疾患,心筋梗塞などのさい血清中の乳酸脱水素酵素(以下LDHと略す)活性が上昇することが知られ,これらの現象を当該疾患の診断の手がかりに用いようとする試みがなされつつある。すなわち織田・小出らの報告4)によると心筋梗塞においては,血清LDH活性値は発作後6〜12時間で上昇しはじめ24〜72時間後には最高値に達し,正常の2〜10倍に上昇してその最高値は梗塞の大きさとほぼ比例する。また慢性リンパ性白血病ではLDH活性の上昇はみられないが,急性白血病および慢性骨髄性白血病では正常の15倍までも高い活性を示し緩解期には正常に復する。また急性肝炎では2〜6倍の活性値上昇を示し17〜59日目に正常に戻ると述べているし,Hillは悪性腫瘍て96%,妊娠時に70%のLDH活性値の上昇をみたと報告している。また同様にWroblewski2)も心筋梗塞,糖尿病性アチドージス,悪性細菌性白血病および肝臓炎でLDH活性値の上昇をみたと報告している。
 われわれの検査室においても同様の意図のもとにLDH活性値の測定を行なわんとしたが,検査成績の信頼性すなわち普遍性,再現性などに留意することはもちろんながら,臨床検査室の日常検査という立場からできるだけ能率よく行なうことにも留意してLDH活性値測定の実際について検索を行なったので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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