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文献詳細

雑誌文献

臨床検査7巻5号

1963年05月発行

文献概要

技術解説

ヘモグロビンの定量法

著者: 角田信子1

所属機関: 1日本医科大学生化学教室

ページ範囲:P.345 - P.352

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はじめに
 溶血を伴わないかぎり,ヘモグロビンはすべて赤血球中にある。従って通常臨床的にヘモグロビンを測定するには,血液溶血液をそのまま使う。特別の場合には,先ず赤血球を集めて,生理的食塩水で洗った後に改めて溶血して測定の対象とすることもある。
 通常測定の対象となるヘモグロビンおよびその誘導体は,還元ヘモグロビン(Hb),酸素ヘモグロビン(HbO2),メトヘモグロビン(met HbあるいはHi),一酸化炭素ヘモグロビン(HbCO)などである。まれには特殊な中毒の場合にスルフヘモグロビン(SHb)が問題になることもある。これらの中で生理的なはたらきを行なっているものはヘモグロビンと酸素ヘモグロビンとである。大気の酸素分圧157mmHgでは,ヘモグロビンの100%近くがHbO2の状態にある。メトヘモグロビンは正常血液中にも0.0〜2.4%ぐらい1)は含まれているが,これが病的に増加するのは本態性メトヘモグロビン血症の場合,あるいはフェナセチン,アセチルサリチル酸2),スルホンアミド等3)〜11)の薬物投与,または芳香族ニトロ化合物,芳香族アミノ化合物等12)〜14)による中毒の場合である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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