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文献詳細

雑誌文献

臨床検査7巻8号

1963年08月発行

文献概要

技術解説

赤血球寿命測定法

著者: 前川正1 和田武久1

所属機関: 1群馬大学医学部第二内科学教室

ページ範囲:P.567 - P.572

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はじめに
 赤血球には生理的寿命があり,正常な状態では老化したものから順に死滅崩壊していく。従って生体内の血球数を正常に維持するためには,この崩壊に見合うだけの生成が必要であり,赤血球崩壊の亢進等の理由でこの平衡が負となれば貧血が招来される。それゆえに赤血球の寿命測定は,貧血の成因を探求する上に欠くことのできない検査の一つである。
 赤血球寿命の測定法としては,古くは尿便中に排出されるビリルビン代謝物質,主としてウロビリノーゲンを測定して,その一日排出量より赤血球の破壊量を計算する方法1)が行なわれた。全身の血色素量が既知であってすべてのウロビリン体が赤血球に由来し,しかも再吸収を除外し得るとすれば,これから赤血球寿命を逆算することも可能であろうが,以上の前提が満たされるものでないことは明らかで,本法により正確な赤血球寿命を求めることはできない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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