臨床検査7巻8号

1963年08月発行

座談会

水と臨床検査

著者： 佐藤威夫¹ 荒井佳則² 武子鮮太郎³ 樫田良精⁴ 田村善蔵⁵ 松橋直⁶ 松村義寛⁷

所属機関： ¹都水道局金町浄水場 ²日本オルガノ商会検査部 ³日本ソフナーKK ⁴東大病院中央診療部 ⁵東大薬学部分析化学教室 ⁶東大医学部血清学教室 ⁷東京女子医大生化学教室

ページ範囲：P.584 - P.597

　松村　水と臨床検査という題で座談会をお願いします。きょうは東京都の水道局から佐藤さん，東大の薬学部の田村教授，オルガノ商会から荒井さん，日本ソフナーの武子さんとそれぞれの水の専門家をお招ぎしましてお話し願うことにいたします。
まず，臨床検査に使う水なんですが，私たちのように臨床化学をやっていますというと試薬の調製に純水を使います。それから，いろいろな検査の方面でも試薬として純水が必要でありますし，またいろんな器具を使ったあとで洗うのに多量の水を使いますが，この水があまり悪いというと，いろいろ障害を引き起こすというわけで臨床検査と水は切っても切れない縁があるわけです。まず話の糸口としまして，佐藤さんから水の純度をどうやって判定するかというようなことからお話しを……