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文献詳細

雑誌文献

臨床検査8巻2号

1964年02月発行

文献概要

技術解説

自動温度制御(2)

著者: 下井吉次郎1

所属機関: 1株式会社千野製作所製造部

ページ範囲:P.145 - P.152

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IV.温度自動制御におけるサイクリング
 最適の自動制御結果を得る場合は,プロセスの特性をよく調べて,これに合った制御系を組み合わせるのが肝要なことであるが,この決定はなかなかむずかしいので,経験と判断によっている。2位置制御が一般に一番多く使用されているのは価格と取扱簡単という点と,実際のプロセスでは2位置制御程度で満足できるものが案外多いことが考えられる。しかし2位置制御では制御体がサイクリングすることは避けられないので,なるべくこれを少なくするように炉自体の設計,あるいは調節回路の調整をすることが必要であろう。一般に熱関係のプロセスでは,時間おくれ,伝達おくれ等があるために図1のような応答曲線を示す。すなわち,弁開度を0から100%開いたときあるいはヒーター電源を"off"の状態から"on"の状態にしたとき,制御変数たる温度はおくれのためにS字状の曲線を描いてバランスした温度に落ち着くことになる。従ってこのバランスした温度が,たまたま希望する温度であれば,別に自動制御装置をつけなくともよいわけで,このためには入力電源にスライダック等を挿入して電圧を加減し希望値に合うようにバランス点を見出す。しかし実際には電源電圧の変動,プロセス周囲温度の影響等によってバランス点を一定に保つことは困難であり,バランスがくずれると元の温度に戻すことはなかなかむずかしい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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