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日常検査としての細胞診
著者: 信田重光1 黒沢孝夫1 滝田照二1 八木義弘1 市川博昭1
所属機関: 1順天堂大学第一外科
ページ範囲:P.221 - P.227
文献購入ページに移動近年,悪性腫瘍,特に癌の死亡率の上昇にともない,その早期発見,早期治療の重要性が声を大にして叫ばれるに至った。そして各種診断法の急速なる進歩によって,子宮癌を始め,胃癌,肺癌などでは,かなり早期のものが発見される可能性がきわめて大となって来た。細胞学的診断法は,わが国においてはまだ十数年の歴史しかないがX線,内視鏡検査法とともに,癌診断の三本の柱の中の一つとして,その重要性が高く評価されて来ている。
そして細胞診は,子宮癌診断の分野では,早くより日常検査法の一つとして行なわれているが,胃癌,肺癌の分野ではまだ専門的検査の域を脱していない。私どもは最近教室内で,細胞診専任の検査技術者の養成を心掛けており,細胞採取は臨床医が充分に熟練した技術を以て行ない,細胞鏡検のスクリーニングは細胞診専任の技術者の手で行なって,チェックされた細胞を専門の医師が判定するという順序を作りつつある。
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