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文献詳細

雑誌文献

臨床検査8巻4号

1964年04月発行

文献概要

技術解説

筋電図のとり方

著者: 中西孝雄1

所属機関: 1東大中尾内科

ページ範囲:P.280 - P.285

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はじめに
 筋肉が収縮すると,電気が発生するということは,18世紀の終り頃Galvaniによって初めて発見されたが,その後筋肉に関する電気生理学は急速な進歩をとげるに至った。特に電子管工学の発達に伴い研究方法が改善されるにつれてその発展は目ざましく,その一産物としての筋電図も十数年前から広く臨床的に応用されるようになった。筋電図は今日,内科,外科,整形外科,神経科,小児科,耳鼻科,眼科等多くの臨床領域で,神経筋疾患の診断法として広く用いられる検査法の一つである。
 筋電図をとる目的は,言うまでもなく筋肉に生ずる電気的現象を記録して,筋自体の状態およびそれを支配している神経系の状態を推測することである。病理形態学的検査が形態の上から病状を判断しようとし,また生化学的検査が物質代謝の面から病気を知ろうとするのに対して,筋電図は生きた筋肉の動的な状態を知る一つの手段なのである。たとえば筋肉が萎縮している場合,それが神経の障害によって起こっているものなのか,あるいは筋自体の病気でそのように萎縮したかを区別することは治療上大切な問題であるが,筋電図は両者の差を多くの場合はっきり示してくれる。もちろん筋生検という病理形態学的検査によっても,また血清の生化学的変化からも,そのことはある程度まで鑑別され得る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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