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文献詳細

雑誌文献

臨床検査8巻5号

1964年05月発行

文献概要

技術解説

抗生物質投与時における正常細菌叢の変動

著者: 上条清明1

所属機関: 1順天堂大学

ページ範囲:P.367 - P.371

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はじめに
 人体の正常菌叢は既述のとおり1),鼻および上部気道,口腔,消化管,外陰部に常在し,ときには人体に何らかの意義をもっているが,一般的には無害無益のものである。
 しかしながら抗生物質投与時は,当然何らかの疾患があり健康状態の乱れているときであるので,健康時には無害であった菌叢も,場合によっては有害となりかねない。菌交代症がその著明な例である。また一方,正常菌叢を構成する細菌群のあるものは抗生物質によって発育を阻害され,あるものは全く影響を受けない場合もあるので,正常菌叢の中の特定の菌種が特に多くなったり,ときにはtransientな菌種が定着したりする場合も考えられる(Candidaがその例である)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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