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文献詳細

雑誌文献

臨床検査8巻6号

1964年06月発行

文献概要

技術解説

血清中乳酸脱水素酵素(LDH)の測定とその意義(2)

著者: 春日誠次1

所属機関: 1関東逓信病院臨床検査科

ページ範囲:P.442 - P.447

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血清LDH活性度の上昇
 血清LDH活性度は悪性腫瘍患者で上昇するというHillの報告以来,GOT・GPTとともに数多くの研究がなされ,悪性腫瘍ことに癌のみでなく,白血病,肝炎,心筋梗塞等の心疾患,悪性貧血,溶血性貧血等で上昇することが知られている。
 しかし,これらの疾病の診断でLDH測定が他の診断的方法にくらべて特に優先する,すなわちこのLDH測定のみで診断が確定するというようなものではなくて,経過,とくに治療効果の観察あるいは鑑別診断としての意味が見出されている。たとえば癌では,その陽性率はその時期,あるいは癌の種類によってまちまちで,LDH正常であっても癌ではないとの保証は得られない。しかし,ある時期に上昇がみられた例でのその経過に伴っての消長には,臨床的に意味があるとしている考えが多い。また,白血病についても同様である。ただ白血病については,骨髄性のものとリンパ性のものとの間にはその陽性率が異なるという2)。血清LDH活性度の測定を確定したWróbl-ewski & LaDue3)はその論文中で急性心筋梗塞の例の経過を追って観察し,発作後数時間ないし10時間程度で上昇し始め,1〜3日で最も高くなり,このときには正常の10倍にも及ぶものがあり,ついで5〜6日で正常にもどることを報告している。また予後についても,その心筋壊死の程度についても関連性があるものとされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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