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腸炎ビブリオの検査
著者: 善養寺浩1 坂井千三1
所属機関: 1東京都立衛生研究所細菌部
ページ範囲:P.679 - P.686
文献購入ページに移動 ラ腸炎ビブリオは学名Vibrio parahaemolyticusといわれ,ビブリオに属する。コレラ菌とはコンマ状を呈しない点が異なるが,その他形態的にはよく似ている。この菌と鑑別上問題となる菌はAeromonas, Pseudomonas,Comamonasなどである。腸炎ビブリオは必ず鞭毛は1本だがこれらの菌は必ずしも1本とは限らない。写真①は腸炎ビブリオの電子顕微鏡像である。液体培養菌をみると多形性を示し,このような定型的なものの中に円形のものなどみられる。
腸炎ビブリオは現在生物型1と2に分かれている。夏期腸炎患者から分離される生物型1の病原性は確かだが,生物型2の病原性は疑わしい。したがってこの菌の検索はつねに生物型1を対象とすべきで,生物型2が検出された場合はその旨を成績に明記しなければならない。なお腸炎起炎菌の検索に当って注意することは,夏期腸炎の原因菌としてこの菌が余りにも重視されてきているために,とかく既知病原菌の検索がおろそかにされがちである。したがって,この菌の検索と平行してつねに病原大腸炎菌にまで及ぶあらゆる病原菌の検索が可能な態勢をとっておかなければならない。
腸炎ビブリオは現在生物型1と2に分かれている。夏期腸炎患者から分離される生物型1の病原性は確かだが,生物型2の病原性は疑わしい。したがってこの菌の検索はつねに生物型1を対象とすべきで,生物型2が検出された場合はその旨を成績に明記しなければならない。なお腸炎起炎菌の検索に当って注意することは,夏期腸炎の原因菌としてこの菌が余りにも重視されてきているために,とかく既知病原菌の検索がおろそかにされがちである。したがって,この菌の検索と平行してつねに病原大腸炎菌にまで及ぶあらゆる病原菌の検索が可能な態勢をとっておかなければならない。
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