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特集 塗抹検査 技術解説
穿刺液と痰検査のための塗抹検査
著者: 桜井幹己1 竹田繁美2
所属機関: 1大阪大学医学部病理学教室 2大阪大学病院中央検査部
ページ範囲:P.786 - P.790
文献購入ページに移動最近,病院臨床検査部門において細胞診断(以下細胞診)が早期癌発見の上に欠くことのできない重要な手段となってきている。
人体の内外を形成している細胞は日々営まれている新陳代謝作用によって自然に剥離している。もし肉眼ではみえない癌あるいは前癌状態があるとそれらの細胞も他の細胞と入り混って剥離してくる。このように細胞診の特長は何といっても第一に患者に苦痛を全く与えないか,与えたとしてもごく少しで検査に必要な材料が得られることである。第二に人工的な操作を用いて細胞を剥離させる場合は別として自然剥離の細胞を検査に用いる場合はその取材はきわめて簡単である。
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