A学会でのトピックス
2022年に入ってからも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中心的なトピックスとして数多くの学会で取り上げられた.
第62回日本呼吸器学会学術講演会(2022年4月22~24日,京都)では日本感染症学会との共同企画として,「ウイルス感染症とびまん性肺疾患(COVID-19とインフルエンザを中心に)」というセッションが企画され,筆者のほか,第一線でCOVID-19の臨床に携わる演者,司会の間で最新の病態,治療,予防に関する情報交換が行われた.
同時期に行われた第96回日本感染症学会総会・学術講演会(2022年4月22~23日,川越)でもCOVID-19に関するシンポジウムやセミナーが多数企画され,大いに話題となった.
感染症専門医のみならず,呼吸器医,救急医や集中治療医など多くの専門領域の医師,そして看護師や薬剤師,臨床検査技師など多職種間でそのマネジメントに関するスキルアップが進んだといえよう.
一方で,第6波が落ち着いた2022年6月以降は海外からの観光客の受け入れなど人流が活発となり,東京では学級閉鎖が報道されるなど,インフルエンザの流行が話題となった.その後,夏にオミクロン株,特にBA.5が猛威を振るい,第7波が形成された.
ほかに,肺炎やMRSA診療ガイドラインの改訂,結核・非結核性抗酸菌症治療に関するトピックスが注目された.さらにサル痘の流行が欧米から報告され,国内でも患者が発生するなど,感染症対応に予断を許さない状況が続いている.
B疾患と診断
COVID-19に関しては,既存のウイルス性肺炎との共通点が多くみられる一方,血管内皮障害に伴う血栓形成や血管内成分の漏出に伴う顕著な肺水腫の出現などが特徴的な病態,重症化機序として確立してきたといえよう.また若年者と高齢者での重症化頻度や機序の違いを,先天性免疫欠損(IEI:inborn