今日の診療
治療指針

カテーテルアブレーション
catheter ablation
夛田 浩
(福井大学教授・循環器内科学)

GL不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)

GL2021年JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版不整脈非薬物治療

ニュートピックス

・薬剤抵抗性の再発性症候性の発作性心房細動に加え,持続性心房細動(持続期間<1年)にもバルーンカテーテル(クライオバルーンとホットバルーン)を用いたアブレーションが2020年10月より使用可能となった.

・低心機能を伴う心不全(HFrEF)を有する心房細動患者の一部において,死亡率や入院率を低下させるために本治療を考慮することが推奨(クラスⅡa)となった.

治療のポイント

・カテーテルを用いて,不整脈起源あるいは頻脈性不整脈の維持と持続に必須の部位を破壊(焼灼)する根治療法であり,高い成功率と安全性から多くの頻脈性不整脈が適応となる.

・発作性あるいは持続期間の短い(<1年)再発性症候性心房細動はアブレーションのよい適応である.

・症候性の副伝導路を介する頻拍,房室結節リエントリー頻拍,心房粗動,心房頻拍,および特発性心室期外収縮・頻拍もよい適応である.

・薬剤抵抗性あるいは抗不整脈薬が使用困難な器質的心疾患を有する心室頻拍にもアブレーションは施行され,その成績は年々向上している.

A適応と標的部位

1.心房細動(AF:atrial fibrillation)

 発作性,有症候性,薬剤抵抗性,比較的若年者(<75歳),左房径正常(<45mm),心機能正常,のいくつかを満たす患者はアブレーションのよい適応である.AFを引き起こすトリガーの多くは肺静脈起源で,AFの維持にも肺静脈は重要であることから,肺静脈と左房前庭部を含んだ肺静脈隔離術は必須である.肺静脈以外のトリガー(non-PV foci)を同定した場合はトリガーを焼灼し除去する.

a.発作性心房細動

 肺静脈隔離術にて60~80%の症例で根治が得られる.高度の左房拡大や左室機能低下を認めない

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