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GL自己免疫性膵炎診療ガイドライン2020
ニュートピックス
・現時点では保険適用はないが,自己免疫性膵炎の寛解維持にアザチオプリンの有用性が報告されている.
治療のポイント
・ステロイド治療は,閉塞性黄疸,腹痛など症状を伴うもの,無症状でも膵外病変を伴うものが適応となる.
◆病態と診断
A病態
・自己免疫性膵炎は,現在ではIgG4の関与する1型とIgG4の関与しない好中球病変による2型に分類されている.本邦ではその多くは1型であることより,自己免疫性膵炎とは通常1型を指す.そして1型は現在ではIgG4関連疾患の膵病変としてとらえられている.
・1型自己免疫性膵炎を含むIgG4関連疾患の病理組織学的な特徴は,高度なリンパ球・形質細胞浸潤,IgG4陽性細胞の浸潤,花筵状とよばれる著明な線維化,閉塞性静脈炎である.
・これまでの研究により,病態生理にさまざまな免疫学的機序が関与していることは確かであるが,IgG4の役割をはじめいまだ不明な点が多く残されている.
B診断
・本疾患に特徴的な症状はない.2016年に行われた全国調査によると,37.2%が無症状でありそのうち18.8%は糖尿病の精査中に診断されている.一方,有症状のうち閉塞性黄疸が48.6%を占め最も多く,次いで腹痛が25.6%であるが急性膵炎(0.9%)のような強い痛みはまれである.さらに後腹膜線維症による水腎症など膵外病変によるものが12.0%と続く.
・血液検査所見では血清IgG4値の上昇(>135mg/dL)が特徴であるが,アトピー性皮膚炎,喘息,天疱瘡,RA,また一部の膵癌症例でも上昇するため特異的ではない.閉塞性黄疸,糖尿病などを契機に発見されることが多いことから,それらに伴う血液生化学検査の異常を示すことが多い.
・CT,MRIなどの画像検査では,ソーセージ様といわれるびまん性膵腫大が典型例であるが,限局性の膵腫大を
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