頻度 あまりみない
治療のポイント
・定期的に赤血球輸血が必要な症例も多く,鉄過剰に注意する.
・治療効果が発現するまで時間がかかることが多い.
・悪性疾患ではなく,定期的な輸血・感染対策など適切な支持療法によって長期生存が可能な症例も多い.ADLを保ちつつ長期に付き合っていくという意識が肝要である.
・指定難病である.
◆病態と診断
A病態
・再生不良性貧血は,汎血球減少と骨髄低形成を特徴とする1つの症候群で,その本態は造血幹細胞の持続的な減少である.
・先天性と後天性に分類でき,先天性で最も頻度が高いものはファンコニ貧血で,後天性のほとんどは特発性(1次性)である.2次性のものとして薬剤性,放射線,妊娠を契機に発症するものなどが挙げられる.特殊型としては,肝炎関連再生不良性貧血,再生不良性貧血-発作性夜間血色素尿症(PNH:paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)症候群などがある.
・年間発症率は人口10万人あたり0.5人とされる.
・特発性では免疫抑制療法が有効な症例が多いことなどから,免疫学的な機序が推測されている.
B診断
・血球減少ではHb10g/dL未満,好中球1,500/μL未満,血小板10万/μL未満のうち,2項目以上を満たし,低形成骨髄を示す.膠原病など血球減少をきたす他疾患を除外することが必須である.骨髄異形成症候群との鑑別が困難な場合がある.赤芽球では軽度の形態異常を認めることがある.
・骨髄穿刺のみでは不十分で,腸骨骨髄生検で骨髄低形成・脂肪髄を証明する必要がある.病初期・非重症例では造血巣がまだらに維持されていることが多く,採取した骨髄では低形成が確認できないこともある.椎体MRIは脂肪髄や低形成の診断に有用である.
・末梢血中にPNH型血球が微量に検出されることがある.染色体異常の存在は必ずしも再生不良性貧血を否定するものではない.
◆治療方針
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