GL糖尿病診療ガイドライン2019
GL小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン(2015)
Ⅰ.1型糖尿病
頻度 割合みる
ニュートピックス
・2022年1月にハイブリッドクローズドループが日本でも使用できるようになり,血糖管理の質の向上が見込まれる.
治療のポイント
・患児の発達や成長に気を配り,最適な治療を選択する.
・乳幼児期の1型糖尿病治療はCSIIやSAPのよい適応である.
◆病態と診断
A病態
・1型糖尿病は,成人と同様に自己免疫により膵β細胞が破壊され,インスリンが欠乏することで発症する.膵島関連自己抗体〔抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)抗体など〕が多くの場合認められる.
・高血糖により,血液浸透圧の上昇と高浸透圧利尿に伴う口渇,多飲,多尿や,ブドウ糖がエネルギーとして利用できないことにより疲労感,倦怠感,体重減少を認める.異化亢進により遊離脂肪酸,ケトン産生が亢進し,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA:diabetic ketoacidosis)に進行する.
・幼小児では多飲,多尿などの高血糖症状が気づかれにくく,DKAによりようやく糖尿病と診断されることも少なくない.
B診断
・1型糖尿病の診断では,成人と同様の糖尿病の診断に加え,インスリン分泌の低下~欠乏と膵島関連自己抗体の検出が指標となる.
・インスリン分泌の低下は急性発症型では空腹時C-ペプチドが0.6ng/mL未満が判断基準となる.24時間尿中C-ペプチドが20μg未満やグルカゴン負荷試験の頂値が1.0ng/mL未満でも,インスリン分泌不全があるとの判断になる.
◆治療方針
糖尿病治療の目的は合併症の発症を防ぎ,健康な小児と同じ生活の質を保ち,健康な小児と変わらない寿命を得ること,健康な小児と変わらない人生を歩むことができるようにすることである.適切な食事・運動・薬物療法(1型では主にインスリン)により,血糖を良好に
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