頻度 あまりみない
GLエビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2020
治療のポイント
・副腎皮質ステロイド,シクロホスファミド,血漿交換療法の併用が標準的である.
・肺出血を伴う症例(グッドパスチャー症候群),腎予後の改善が期待できる症例ではステロイドパルス療法を含む強力な治療を考慮する.
・抗GBM抗体は治療効果の指標,再燃の指標として有用である.
・維持療法は抗GBM抗体の消失と血管炎症候の再燃がなければ,6~12か月以降は中止を検討する.
◆病態と診断
A病態
・抗糸球体基底膜(GBM:glomerular basement membrane)抗体型糸球体腎炎とは,組織学的に壊死性半月体形成性糸球体腎炎を呈し,蛍光抗体法で係蹄壁にIgGの線状沈着(linear pattern)を認め,血清学的に抗GBM抗体が陽性となる腎炎である.
・2012年に改訂されたCHCC(Chapel Hill Consensus Conference)分類では,抗GBM抗体陽性の血管炎を抗GBM病とし,肺と腎のどちらかあるいは両者がみられる病態を含むとしている.
・腎と肺の双方を障害する病型はグッドパスチャー症候群とよばれる.
・抗GBM抗体は,Ⅳ型コラーゲンα3 鎖のC末端に存在するNC1ドメインのアミノ酸残基を抗原エピトープとして認識している.
・抗GBM抗体型急速進行性腎炎症候群(RPGN:rapidly progressive glomerulonephritis)では,感染症(インフルエンザなど),吸入毒性物質(有機溶媒,四塩化炭素など),喫煙などにより肺・腎の基底膜の障害が生じることで抗原エピトープが露出し,これに反応する抗GBM抗体が産生される.
B診断
・血尿(多くは顕微鏡的血尿,まれに肉眼的血尿),蛋白尿,円柱尿などの腎炎性尿所見を認める.
・血清抗GBM抗体が約90%の患
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