頻度 あまりみない
GL脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン2018
GLHTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン2019
ニュートピックス
・痙縮に対するA型ボツリヌス毒素療法として,ボトックス以外にゼオマインの使用が認可された.
治療のポイント
・痙性対麻痺にはさまざまな原因疾患があるため,原因疾患を同定し,合併する痙縮を含め適切な治療法を選択する.
・下肢の状態や治療に合わせ,リハビリテーションを継続的に行うことが重要となる.
◆病態と診断
A病態
・痙性対麻痺は,中枢神経である上位運動ニューロンの障害により,両下肢の運動麻痺に痙縮を伴う病態である.
・痙性対麻痺を呈する原因疾患は,以下の通り多岐にわたる.
1)神経変性疾患〔遺伝性痙性対麻痺(HSP:hereditary spastic paraplegia),脊髄小脳変性症など〕
2)脱髄性疾患〔多発性硬化症,急性散在性脳脊髄炎(ADEM:acute disseminated encephalomyelitis)など〕
3)感染症〔HTLV-1関連脊髄症(HAM:HTLV-1 associated myelopathy)など〕
4)代謝性疾患(副腎白質ジストロフィー,ミトコンドリア異常症など)
5)脊髄疾患(脊髄損傷・脊髄空洞症・脊髄腫瘍など)
6)脳疾患(脳血管障害・キアリ奇形など)
B診断
・両下肢の筋力低下や運動麻痺に,痙縮の症状である腱反射亢進,バビンスキー反射などの病的反射や痙性歩行(はさみ足歩行)を呈する.
・原因疾患を同定するには,MRIを中心とした画像検査,血液や脳脊髄液の免疫学的検査,神経生理検査を行う.またHSPなどが疑われる場合は,家族歴の聴取も重要となり,脳神経内科などの専門科を受診する.
・HAMは,ヒトT細胞白血病ウイルス1型感染者の約0.3%に発症し,脊髄にウイルスが浸潤することにより慢性炎症を引き起こし脊髄症
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