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GLてんかん診療ガイドライン2018
治療のポイント
・抗てんかん発作薬により70~80%の患者で発作が寛解する.
・焦点発作と全般発作で選択薬が異なる.
・患者個別条件,例えば,妊娠可能年齢女性,高齢者,合併疾患の有無などに基づき,副作用などを考慮して抗てんかん発作薬を選択する.
◆病態と診断
A病態
・てんかん発作(epileptic seizure)は,脳の,異常に過度なあるいは同期性のニューロン活動に起因する一過性の徴候および症状の発現である.
・てんかん(epilepsy)は慢性の脳障害であり,てんかん発作を生じる持続的な病態と,この病態による神経生物学的,認知的,心理的,および社会的結果をも含む.
B診断
・発作の目撃情報を含む病歴,身体所見と脳波所見からてんかん発作型を診断する.次に病歴・脳波・脳画像・その他の検査を総合して,てんかん型・症候群診断を行う.
・発作型およびてんかん型・てんかん症候群分類は2017年版国際抗てんかん連盟分類を用いる.
◆治療方針
てんかんの内科的治療の主目的は,抗てんかん発作薬により発作を抑制することである.併存・合併する症状,精神・心理的側面,薬剤の副作用に配慮することも重要である.日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン2018」を参照されたい.
抗てんかん発作薬による治療では,発作抑制可能であれば単剤投与が基本である.発作を抑制できないときは投与量を漸増し,それ以上の増量が困難なときに次の薬剤を使用する.薬剤併用療法が必要な場合もある.てんかん原性(てんかん発作の起こりやすさ)は患者ごとに異なり,少量の薬剤で発作が消失する場合もあれば,高用量が必要な患者もいる.同じ薬剤を同量投与しても,代謝や排泄の違いから患者によって血中濃度は異なることがある.同じ血中濃度でも副作用の出現のしかたが違う.
A焦点発作,焦点起始両側強直間代発作
Px処方例
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