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GL日本うつ病学会治療ガイドラインⅠ.双極性障害2020
治療のポイント
・気分安定薬を基本に,重症度に応じて抗躁作用の強い抗精神病薬の併用を考慮する.
・軽躁病エピソードなら外来治療が可能であるが,躁病エピソードでは症状は急変しやすく入院治療が必要なことが多い.
・再発再燃予防を目的とする維持療法を視野に入れた治療が必要である.
◆病態と診断
A病態
・病態は十分に明らかになっていない.脳内のモノアミンの変動,カルシウム反応の異常,ミトコンドリア機能異常などの関与が推定されている.
B診断
・診断は横断的な症状と縦断的な経過に基づいて行う.DSM-5では,躁病エピソードは次のように定義されている(診断基準A~Dで構成).
・A:気分が異常かつ持続的に高揚し,開放的または易怒的になる.加えて,異常にかつ持続的に亢進した目標指向性の活動または活力がある.このような普段とは異なる期間が,少なくとも1週間,ほとんど毎日,1日の大半において持続する.
・B:気分が障害され,活動または活力が亢進した期間中に,以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)(気分が易怒性のみの場合は4つ)が有意の差をもつほどに示され,普段の行動とは明らかに異なった変化を象徴している.①自尊心の肥大,または誇大,②睡眠要求の減少,③普段より多弁であるか,しゃべり続けようとする切迫感,④観念奔逸,またはいくつもの考えがせめぎ合っているといった主観的体験,⑤注意散漫が報告される,または観察される,⑥目標指向性の活動の増加,または精神運動焦燥,⑦困った結果につながる可能性が高い活動に熱中すること.
・C:この気分の障害は,社会的または職業的機能に著しい障害を引き起こしている,あるいは自分自身または他人に害を及ぼすことを防ぐため入院が必要であるほど重篤である,または精神病性の特徴を伴う.
・D:本エピソードは,物質の生理学的作用,ま
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