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治療のポイント
・非特異的な病態であり,運動不足や姿勢異常などの患者要因,作業,精神的ストレスなど多因子病と考えられている.
・就労・日常生活の環境改善が治療の原則であり,特に僧帽筋が持続的に収縮・牽引されるような作業や姿勢をとらないような指導を行う.頸部,肩甲上部,上肢筋に対する運動やリハビリテーションも有用である.
・薬物治療は補助的治療手段であり,発症後からの期間(急性期・慢性期)により処方内容を変える必要がある.
◆病態と診断
A病態
・頸部・肩・上腕・前腕・手指の一部もしくはすべての部位に,筋のこり,痛み・しびれなどを呈する病態であり,このなかで,原因が明らかなものが除外された非特異的な病態を頸肩腕症候群とよぶ.
・非特異的であるため,明らかな原因は不明であるが,運動不足や姿勢異常などの患者要因,作業,精神的ストレスなど多因子病と考えられている.
B診断
・本症候群は除外診断のため,鑑別疾患を考えながら診断を進める必要がある.
・本症候群では頸部,肩甲部,上肢の筋の緊張亢進,筋硬結,圧痛,叩打痛,運動制限,握力低下などが現れうるが,本症候群に特異的な所見ではない.
・主な鑑別疾患である頸椎疾患,胸郭出口症候群,肩関節疾患,絞扼性末梢神経障害,肘・手・手指関節症,末梢循環不全,腫瘍,心因性疼痛などを念頭におきながら診察・診断を進める.特に神経学的所見は慎重にとるべきである.
・必要に応じて,画像検査(X線,MRI)や電気生理学的検査(神経伝導速度,筋電図),心理検査などを考慮する.
◆治療方針
本症候群に対しては基本的には対症療法を行う.薬物療法よりも,就労・日常生活の環境改善(睡眠時間や休憩時間の確保),仕事や日常生活上の指導(僧帽筋や肩甲骨周囲筋にストレスが持続するような作業や姿勢異常への対応),頸肩腕部の運動・理学療法(頸部,肩甲上部,上肢の筋のリラックス効果・血液循環回
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