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GL蕁麻疹診療ガイドライン2018
ニュートピックス
・2021年4月,遺伝性血管性浮腫の発作抑制に血漿カリクレイン阻害薬ベロトラルスタットが使用できるようになった.
治療のポイント
・明確な原因が同定できない特発性のじん麻疹と,特定の刺激に曝露することで誘発される刺激誘発型のじん麻疹を区別する.
・Ⅰ型アレルギーを疑う病歴のないじん麻疹では,網羅的なアレルギー検査を実施する必要はない.
・特発性では十分量の抗ヒスタミン薬の内服,刺激誘発型では誘因の同定と回避が治療の基本である.
・難治性の特発性のじん麻疹に対しては,抗ロイコトリエン薬,H2 拮抗薬を併用する.
・刺激誘発型で誘因の回避が難しい場合,特発性のじん麻疹に準じた治療で症状を軽減する.
・遺伝性血管性浮腫の急性発作時は,イカチバント,人C1-インアクチベーターで治療する.喉頭浮腫が進行して窒息のリスクがある場合は,すみやかに挿管する.
◆病態と診断
A病態
・じん麻疹では,Ⅰ型アレルギーなどの機序により皮膚マスト細胞が活性化されて,ヒスタミンが放出される.ヒスタミンが皮膚の微小血管と神経に作用することで,血管拡張(紅斑)と血漿成分の漏出(膨疹),かゆみを一過性に生じる.
・マスト細胞の活性化の機序は,Ⅰ型アレルギー以外にも物理的刺激(例:機械的擦過で生じる機械性じん麻疹)や明らかな誘因が特定できないものがある.
・複数の病型が合併することがある.
・血管性浮腫は皮膚や粘膜の深部に生じる浮腫であり,じん麻疹と同様にヒスタミンによるものと,遺伝性血管性浮腫などのブラジキニン起因性のものがある.
B診断
・じん麻疹はかゆみを伴う紅斑や膨疹が24時間以内に出没することを特徴とし,その経過からじん麻疹と診断してほぼよい.
・じん麻疹は明確な原因を同定できない特発性のじん麻疹と,特定の刺激に曝露した場合に限って誘発される刺激誘発型のじん麻疹に大き
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