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治療のポイント
・軽症の魚鱗癬(尋常性魚鱗癬,X連鎖性劣性魚鱗癬)では,保湿剤の外用を行う.
・重症の魚鱗癬ではさらにエトレチナート内服を検討する.
・重症例では眼瞼外反や耳垢が蓄積する場合があるため,適宜保湿を目的とした点眼や耳垢除去を行う.
◆病態と診断
A病態
・魚鱗癬では皮膚バリア機能にかかわる遺伝子群の変異により,全身の皮膚が乾燥し鱗屑を生じる.
・後天性では悪性腫瘍(悪性リンパ腫など),サルコイドーシス,薬剤などが原因となる.
B診断
・皮膚の乾燥や厚い角質などの臨床症状から容易に魚鱗癬と診断を下すことが可能である.
・尋常性魚鱗癬のような軽症例では,皮脂欠乏症として経過をみられていることも多い.
・遺伝形式,遺伝子検査により病型診断する.
◆治療方針
根治的治療法はなく,対症療法が中心となる.皮膚バリア機能不全のため,皮膚の乾燥や二次的な細菌感染を生じやすく,スキンケアが重要である.
A軽症および中等症
ワセリン,ヘパリン類似物質や尿素が含有された外用薬で皮膚の保湿を行う.患者の好む剤形を適宜選択する.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
B過角化が強い場合
皮膚の角質を軟化させる作用のあるサリチル酸製剤を外用する.ただし,広範囲にわたり外用する場合はサリチル酸中毒に注意する.また,頭皮に厚い鱗屑が固着している場合はオリーブ油を外用し除去する.
Px処方例
サリチル酸(サリチル酸ワセリン薬)軟膏(10%) 1日1~2回 塗布
C重症例
道化師様魚鱗癬,表皮融解性魚鱗癬,先天性魚鱗癬様紅皮症,葉状魚鱗癬などの重症な病型では,効果と副作用を考慮のうえ,エトレチナート内服を併用する.特に道化師様魚鱗癬では生後すぐからエトレチナート
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