今日の診療
治療指針

にきび(尋常性痤瘡),酒皶
acne vulgaris and rosacea
小林美和
(こばやし皮膚科クリニック・副院長(福岡))

Ⅰ.にきび(尋常性痤瘡)

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GL 尋常性痤瘡治療ガイドライン2017

治療のポイント

・瘢痕化を防ぐため,軽症のうちから十分な治療を行い,維持療法で再燃を防ぐ.

・外用薬による副作用を事前に説明する.

◆病態と診断

A病態

・思春期以降に発症する顔面,胸背部の脂腺性毛包を反応の場とした皮脂分泌,角化異常,細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性皮膚疾患である.

・初発疹の面皰から,紅色丘疹,膿疱,さらには嚢腫,硬結を形成し,瘢痕を残すことがある.

B診断

・眼瞼を除く顔面に,毛包一致性に面皰,紅色丘疹,膿疱が複数出現する.

◆治療方針

 急性炎症期には,重症度に応じて薬剤を選択または併用する.3か月を目安に維持期の治療に移行する.「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」の治療アルゴリズムを参照されたい.

A急性炎症期

1.軽症

Px処方例 下記外用薬のいずれかを用いる.または4)に5)~7)のいずれかを併用する.

1)クリンダマイシンリン酸エステル・過酸化ベンゾイル(デュアック)配合ゲル 1日1回 就寝前 塗布

2)アダパレン・過酸化ベンゾイル(エピデュオ)ゲル 1日1回 就寝前 塗布

3)過酸化ベンゾイル(ベピオ)ゲル 1日1回 就寝前 塗布

4)アダパレン(ディフェリン)ゲル 1日1回 就寝前 塗布

5)ナジフロキサシン(アクアチム)クリーム 1日2回 朝・夜 塗布

6)オゼノキサシン(ゼビアックス)ローション 1日1回 塗布

7)クリンダマイシンリン酸エステル(ダラシンT)ゲル 1日2回 朝・夜 塗布

2.中等症,重症,最重症

Px処方例 上記「1.軽症」の外用薬に,下記内服抗菌薬のいずれかを併用する.

1)ドキシサイクリン(ビブラマイシン)錠(50mg) 1回1錠 1日2回 朝・夕食後

2)ミノサイクリン(ミノマイシン)錠(50mg) 1回1錠 1日2回 朝・夕食後

3)ファロペネム(ファロム

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