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治療のポイント
・鶏眼・胼胝は長期にわたる圧迫の結果生じる限局性の角質増生である.
・治療は生活指導(きつい靴の変更など)と過剰に増加した角質除去である.
・角質削り器の使用,もしくはサリチル酸外用,貼付剤を用いる.
・過度に治療を行うと皮膚潰瘍,同部からの2次感染を発症するため注意が必要である.
◆病態と診断
A病態
・鶏眼は下方に向かって角質が増殖する限局性過角化であり,疼痛を伴う.胼胝は慢性的な刺激や荷重により上方に向かって生じる限局性の過角化であり,通常,疼痛はない.
・鶏眼では足の形と不適合な靴を履くことが原因として多いが,胼胝はペンだこ,正座など,その原因は多様である.
・多発性の鶏眼や胼胝は糖尿病性末梢神経障害に伴う足変形,強皮症に伴う軟部組織の萎縮の結果生じる例もあるため,多発例では合併症の有無を検討する.
B診断
・鶏眼では中央に角質の増殖が強く,角質を削ると芯のようにみられること,胼胝は均等に角質増殖がみられることが特徴である.
・ウイルス感染症である尋常性疣贅が鑑別診断として重要であり,尋常性疣贅では点状出血が多発することが臨床的鑑別点である.
◆治療方針
適切な靴を履いているかを確認する.足以外の例では生活歴を聴取して,鶏眼や胼胝が生じた原因を推測し,適切な指導を行う.
治療は外科的処置(角質削り器や剪刃を用いた過角化の除去)とサリチル酸(5%,10%)外用,もしくはサリチル酸含有貼付剤が有用である.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
!注意 糖尿病性末梢神経障害が明らかな症例では1)の使用を控える.
●治療の終了の指標 過角化が除去された時点で,治療は終了である.貼付は連続して使用する