頻度 よくみる(月経前症候群)
頻度 あまりみない(月経前気分不快障害)
GLOC・LEPガイドライン2020年度版
GL産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020
ニュートピックス
・OC・LEPの連続投与が可能になったことから月経回数を減らすことができ,月経に伴ってみられる月経前症状の回数を減らすことができる.
治療のポイント
・ほとんどの女性が何らかの月経前症状を訴えているが,薬物治療が必要となるのは中等度以上のPMSおよびPMDDである.
・推奨されている薬物治療は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とDRSP/EE配合薬である.
◆病態と診断
A病態
・PMSは,月経前3~10日間の黄体後期に発症する多種多様な精神的あるいは身体的症状で,月経発来とともに減弱あるいは消失するものとされ,身体症状と精神症状がみられる.
・PMSのうち精神症状が主体で強い場合には,月経前不快気分障害(PMDD:premenstrual dysphoric disorder)とよばれる.
・原因は不明で,黄体ホルモン代謝物(アロプレグナノロン)に対するGABAA レセプター,セロトニン作動性ニューロンの感受性との関連が報告されている.
B診断
・症状に基づいて,PMSは米国産婦人科学会の月経前症候群診断基準を参考にする.
・PMDDはDSM-5による.
・うつ病やパニック障害などとの鑑別が必要である.
◆治療方針
PMSの症状を有する女性のほとんどが軽症であり,医学的な対応は必要としない.中等症以上のPMSおよびPMDDについて薬物治療の適応となる.月経困難症の治療によってPMSが改善する場合もある.浮腫についてはスピロノラクトンを用いることもある.また,生活習慣の改善や認知行動療法などの心理療法も行われる.
APMS
Px処方例 下記の薬剤を症状に応じて適宜用いる.
1)加味逍遙散薬エキス顆粒(2.5g/包) 1回