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GL卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版(CQ12,13,25アップデート)
治療のポイント
・卵巣癌,卵管癌,原発性腹膜癌では,遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の診断が,治療選択や治療感受性予測にも重要となっている.卵巣癌(卵管癌,原発性腹膜癌を含む)では,家族歴などによらず全例でBRCA1/2遺伝学的検査が保険適用となり,初回・再発を問わず広く検査が実施できるようになった.
・初回進行卵巣癌における維持療法の選択肢として,ベバシズマブ,オラパリブ単剤のほか,ニラパリブ単剤,オラパリブとベバシズマブの併用も可能となった.相同組換え修復欠損(HRD)に対するコンパニオン診断の活用が進んでいる.
◆病態と診断
A病態
・本邦の卵巣癌における組織型別発生頻度は,漿液性癌(36%),明細胞癌(25%),類内膜癌(17%),粘液性癌(9.4%)であり,欧米に比し明細胞癌の頻度が高い.漿液性癌は高異型度と低異型度に分類され(低異型度は10%未満),発癌機序も分子生物学的な特徴も大きく異なる.
・卵管癌,原発性腹膜癌は大半が高異型度漿液性癌の組織像を呈し,卵巣高異型度漿液性癌(HGSC:high-grade serous carcinoma)と同様に,卵管上皮を発生母地とし,卵管上皮内癌(STIC:serous tubal intraepithelial carcinoma)から発生するという概念が提唱され,一連の疾患として扱われている.HGSCは,従来de novo発がんと考えられていたが,遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC:hereditary breast and ovarian cancer)症例におけるリスク低減卵巣・卵管摘出術においてSTICが検出される場合が少なくなく,STICは前駆病変として重要である.摘出卵管における病理取扱いも,SEE-Fim(sectionin
関連リンク
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