頻度 よくみる(全分娩の約10%に認められる)
GL産婦人科診療ガイドライン―産科編2020
治療のポイント
・妊娠週数にかかわらず,原則入院管理とする.
・B群溶連菌(GBS)陽性あるいは保菌状態不明の産婦では抗菌薬を投与する.
・臨床的絨毛膜羊膜炎では,24時間以内の分娩を目指した分娩誘発あるいは帝王切開を行う.
・妊娠37週以降では,積極的に分娩誘発を考慮する.
・妊娠37週未満では,ルーチンの抗菌薬の使用を行う.
・妊娠34週未満の早産が予想される場合には,ベタメタゾン投与を行う.
・妊娠32週未満の早産が予想される場合には,硫酸マグネシウム投与を行う.
◆病態と診断
A病態
・分娩開始前に卵膜が破綻した状態を指し,37週未満の前期破水(PROM)は特にpreterm PROM(pPROM)とよばれ,早産率の増加の主たる要因となる.
・PROMはさまざまな原因で発症する.満期における卵膜(羊膜)の破綻は,生理的な羊膜の脆弱化と子宮収縮による羊膜の展張によるものであるが,満期以前の破水の場合は,腟からの上行性感染による絨毛膜羊膜炎(CAM:chorioamnionitis)による羊膜の脆弱化が原因であることも多い.
B診断
・陣痛が発来する前に,腟鏡診にて外子宮口からの持続的な液体の漏出,あるいは後腟円蓋に液体の貯留があれば診断は容易である.液体の漏出や貯留がわずかな場合にはBTB試験紙(pHの上昇による青変)あるいは破水検査キットによる確認が必要となる.
・しばしば合併するCAMについてはLenckiの診断基準などを用いることが多い.
・Lenckiの臨床的CAM診断基準
1)母体に38.0℃以上の発熱があり,かつ以下の4項目中1項目以上を認める場合:①母体の頻脈100/分以上,②子宮の圧痛,③悪臭のある腟分泌物・羊水,④母体の白血球数15,000/μL以上
2)母体が38.0℃未満でも,上記①~④のす
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