治療のポイント
・腸管から十分な栄養が摂取できない小児はTPNの適応である.
・TPNは年齢や病態に即し小児用の組成を処方し,無菌的調剤をする.
・TPN施行時には清潔管理を行うとともに,カテーテル関連合併症や欠乏症,過剰症など,さまざまな代謝合併症を予防する.
・TPN管理は多職種からなるチームで対応し,定期的な栄養アセスメントを行う.
A適応
腸管から十分な栄養が摂取できない期間が,栄養不良のない学童では1週間程度で,乳幼児はそれより早期に,低出生体重児では生直後からTPNを開始する.経腸摂取が可能であれば併用する.対象となる主な病態としては,腸管不全(短腸症候群・腸管蠕動障害・難治性下痢など),低出生体重児,高度の侵襲状態(周術期・熱傷・外傷・敗血症・心不全・呼吸不全など),悪性腫瘍における化学療法時,炎症性腸疾患の増悪時などがある.
B中心静脈カテーテル(CVC)の種類
中心静脈カテーテル(CVC:central venous catheter)については,輸液流量が確保できる細径のポリウレタンやシリコンカテーテルを選択する.長期TPNには,ダクロンカフ付きのシリコン製カテーテル(シングルルーメン:4.2Frブロビアック,ダブルルーメン:7Frヒックマン)を用いる.年長児では皮下埋め込み式CV(central venous)ポートも使用できる.短期の場合は,新生児ではPIカテーテル(25G,27G)や,乳幼児以降では上腕の静脈から穿刺挿入する末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheter)(3,4.5Fr)も可能である.
CCVCの留置とルート管理
CVC挿入はマキシマル・バリアプリコーションで行う.経皮的穿刺法は内頸,鎖骨下または大腿の静脈を用いる.超音波ガイド下穿刺は合併症予防に有用である.出血傾向など穿刺
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