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GL小児IgA腎症診療ガイドライン2020
GLアルポート症候群診療ガイドライン2017
治療のポイント
・小児の慢性腎炎症候群の代表的疾患はIgA腎症であり,本項ではそれについて記載する.
・IgA腎症では,腎生検によって診断が確定した時点で重症度を判定し,治療法を決定する.
・IgA腎症の治療効果判定は腎生検によることが確実であるが,尿蛋白量の変化も治療効果判定の指標となる.
・IgA腎症の治療目標は尿蛋白の陰性化にある.蛋白尿が持続する限り病態は進行していく.
◆病態と診断
A病態
・慢性腎炎症候群は糸球体疾患の臨床分類(WHO)のカテゴリーの1つであり,種々の疾患が含まれる.その定義は,「蛋白尿,血尿,高血圧を伴い緩慢に進行する腎機能障害」とされている.上述の通り代表的疾患はIgA腎症である.遺伝性疾患ではアルポート症候群などがある.
・IgA腎症においてはmulti-hit theoryが提唱されている.
1)IgA腎症では遺伝学的素因によるIgA1分子の糖鎖不全が存在し(Hit 1),何らかの刺激によって糖鎖不全IgA1の過剰産生が起こり,それらに対して糖鎖異常IgA1特異的抗体(IgG,IgA)が産生される(Hit 2).
2)これらによって高分子免疫複合体が形成される(Hit 3).
3)高分子免疫複合体が糸球体メサンギウム領域に沈着し(Hit 4),メサンギウム細胞の活性化と補体活性化が腎炎を惹起する.
4)引き続いてポドサイト障害,尿細管障害が生じる.メサンギウム細胞から放出される種々の液性因子はポドサイト障害,尿細管間質障害に関与すると考えられる(糸球体-ポドサイト-尿細管クロストーク).
5)最終的には,糸球体硬化,間質線維化が進行し,末期腎不全に進行する.
B診断
・IgA腎症の診断において,ほかの腎炎との鑑別のために,腎生検が不可欠である.
・持続する血尿に加えて,蛋
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