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GL頭痛の診療ガイドライン2021
ニュートピックス
・2021年に発売された片頭痛予防の抗CGRP抗体・抗CGRP受容体抗体の,小児での治験が開始されている.
治療のポイント
・小児・思春期では,存在するすべての頭痛に対し1つ1つ診断と治療を行う.
・小児・思春期に初めて頭痛を訴える場合,まず二次性頭痛を除外する.
・小児・思春期の頭痛の共存症(鼻炎,副鼻腔炎,起立性調節障害など)を診断,治療する.
・反復する小児・思春期の頭痛では,一次性頭痛,特に片頭痛であるかどうかの鑑別を行う.
・慢性で頻度の多い慢性連日性頭痛では,心理社会的背景や登校状況の確認をする.
◆病態と診断
・頭痛の診断は国際頭痛分類第3版に従い,一次性頭痛(片頭痛,緊張型頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛)か,二次性頭痛(頭痛の原因となるほかの疾患による頭痛)か,あるいはその両方かを診断する.
・頭痛の部位,性状,増悪因子,家族歴について詳細に問診を行うが,頭痛の鑑別や共存症の診断には頭痛以外の症状が重要である.
・小児および思春期(18歳未満)の片頭痛では,片頭痛発作の持続時間は2~72時間と成人の4~72時間より短く,成人と比べ両側性であることが多く,小児における後頭部痛はまれである.
・二次性頭痛を除外するために神経画像検査を施行する場合があるが,放射線被曝のないMRIを優先する.
◆治療方針
A非薬物療法
頭痛の患児と保護者に対する頭痛教育(頭痛指導)は,どの診断の頭痛でも行う.頭痛ダイアリーを用いて頭痛の増悪因子となる生活習慣(睡眠,食事)の見直しを行い,頭痛時の対処方法を具体的に決める.
B薬物療法
1.急性期治療
a.頭痛時
Px処方例 まず1),2)のいずれかを用いる.片頭痛と診断し1),2)が無効な場合には3)~5)のいずれかを用いる(15歳未満保険適用外).
1)イブプロフェン(ブルフェン薬)顆粒または錠 1回5
関連リンク
- 治療薬マニュアル2023/イブプロフェン《ブルフェン》
- 治療薬マニュアル2023/アセトアミノフェン(パラセタモール)《カロナール》
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- ジェネラリストのための内科診断リファレンス/1 頭痛
- 標準的医療説明/難治性の頭痛性疾患の治療
- 新臨床内科学 第10版/1 片頭痛
- 今日の診断指針 第8版/三叉神経・自律神経性頭痛
- 今日の診断指針 第8版/緊張型頭痛
- 今日の診断指針 第8版/薬物乱用頭痛・慢性連日性頭痛
- 今日の小児治療指針 第17版/頭痛(一次性頭痛,二次性頭痛)