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在宅

地域密着型サービスの活用
the use of the community-based care service for the continuity of home care
大友 宣
(静明館診療所(北海道))

ポイント

・介護保険サービスには「居宅介護サービス」「施設介護サービス」「地域密着型介護サービス」がある.

・認知症対応型通所介護や認知症対応型共同生活介護では,BPSDの対応と看取りが特に在宅医療との連携を要する医療的課題である.

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護や(看護)小規模多機能型居宅介護は居住系施設で行われている場合と,個人宅で行われている場合があり,それぞれ連携の課題がある.

A介護保険における地域密着型介護サービスの概要

 介護保険におけるサービスは3つに分けられる.訪問や通所,ショートステイを行う「居宅介護サービス」,入所する「施設介護サービス」,そして今回取り扱う「地域密着型介護サービス」である.要介護者の住み慣れた地域での生活を支えるため,身近な市町村で提供されることが適当なサービス類型(地域密着型サービス)が2006(平成18)年に創設された.基本的にはその市町村の住民が利用することができ,市町村で適正なサービス基盤を整備し,その地域の方々が運営に係ることが理念として挙げられる.以後,地域密着型サービスは徐々に追加され,現在では「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「夜間対応型訪問介護」「認知症対応型通所介護」「小規模多機能型居宅介護」「看護小規模多機能型居宅介護」,「認知症対応型共同生活介護」「地域密着型特定施設入居者生活介護」「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」「地域密着型通所介護」がある.

B活用の仕方

 以下,地域密着型サービスと在宅医療との連携を中心に述べる.

1.認知症対応型通所介護との連携

 認知症の利用者を対象とした利用定員12人以下の通所介護事業所となっている.認知症はあるが,自宅での療養を基本としたい方,若年性認知症の方などが利用者として多い.在宅医療との連携をすることもあるが,認知症に伴う行動・心理症状(BPSD:behavioral an

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