作成グループ
日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会(新実彰男:部会長,永田真,足立雄一:副部会長,ほか委員8名).
作成時期
2021年10月.
改訂予定の有無
改訂予定はないが,これまで3年ごとに改訂されている.
準拠したエビデンスの分類,勧告・推奨の分類など
「喘息予防・管理ガイドライン2012」(JGL2012)1)以来,勧告の信憑性を示すレベルが示されている(表1図).図表,略語一覧をなくした以外は2019版とほぼ同じ構成でページ数も同じである.新薬が加わっただけでなく,活字のフォントが大きくなり,文章は簡明にして図表を活用するなど読みやすい工夫がされている.
治療に関する部分の解説
各章は,1章:総説として定義,管理目標,病型,問診,聴診と身体所見,診断,重症度,管理の指標などでボリュームを増している.配分から2018版よりも診断と治療をより充実させる意図がみられる.2章:疫学,3章:危険因子と予防の危険因子の一覧表(表2図)が更新された.4章:病態生理はアップデートされているが大きな変化はない.5章:患者教育,パートナーシップでは吸入指導のビデオの2次元バーコードが加わり,アクセスすることでわかりやすい解説がみられる.また,2019年版では治療の章にあった子どもと保護者への吸入指導のイラストも加わった.6章:治療では増えている抗体製剤の解説が充実し,治療薬の薬理作用の一覧(図1図)が加わった.図表もわかりやすく工夫され簡便で見やすくなった.7章:種々の側面でアスピリン喘息などの解説があるが,肥満関連喘息が加わった以外に大きな変化はない.8章:治療薬一覧では吸入薬は写真付きでわかりやすく,新薬ももれなく記載されている.
A.喘息の管理・治療の目標
喘息の管理目標(表3図)は,症状のコントロールと将来のリスク回避に分けて記載されている.コントロールの評価(表4図)は「コ