作成グループ名
日本呼吸器学会COPDガイドライン第6版作成委員会(委員長:柴田陽光).
作成時期
2022年6月20日.
準拠したエビデンス,推奨の分類
各クリニカルクエスチョン(CQ)について推奨度の決定に際し,システマティックレビューの結果を踏まえ,エビデンスの強さを以下のA~Dで示してある.
A(強):効果の推定値が推奨を支持する適切さに強く確信がある
B(中):効果の推定値が推奨を支持する適切さに中程度の確信がある
C(弱):効果の推定値が推奨を支持する適切さに対する確信は限定的である
D(とても弱い):効果の推定値が推奨を支持する適切さにほとんど確信できない
さらに,Minds1),GRADEシステムに準じて,GRADEに基づいた推奨度は,会議参加者の投票にて決定された.
また,エビデンスレベルに関しては,以下のように分類して各文献の末尾に記載してある.
I:システマティックレビュー/RCTのメタアナリシス
II:1つ以上のランダム化比較試験による
III:非ランダム化比較試験による
IVa:分析疫学的研究(コホート研究)
IVb:分析疫学的研究(症例対照研究,横断研究)
V:記述研究(症例報告やケース・シリーズ)
VI:患者データに基づかない,専門委員会や専門家個人の意見
診断に関する部分の解説
診断のポイントとして以下の4点を挙げている.
1) 長期にわたる喫煙歴や,それに相当する曝露因子がある場合,COPDを疑う.高齢になればなるほどCOPDの罹患率は高くなる.
2) 気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーでFEV1/FVCが70%未満であることが,COPD診断の必要条件である.
3) 進行すれば,労作時呼吸困難が主症状であることが多いが,軽症や身体活動性が低下している場合は自覚症状に乏しいこともある.喀痰が詰まる感じ,喀痰の喀出,咳嗽を訴えることもある.
4) 除外診断