今日の診療
治療指針

スティーブンス(ズ)・ジョンソン症候群(SJS;皮膚粘膜眼症候群),中毒性表皮壊死症候群(TEN)


症状

 薬物投与開始後2週間以内に発症することが多い.典型的な皮疹が出現する前に高熱(38℃以上),悪心,嘔吐,咽頭痛,関節痛,筋肉痛,眼の充血,分泌物亢進,まぶたの腫れなどのウイルス感染症様の前駆症状が出現する.SJSの発疹は皮膚粘膜移行部を中心(皮膚口内炎,皮膚粘膜眼症候群)とする重症型の表皮型多形滲出性紅斑(EM)である.発疹は中心の壊死・水疱病変を2-3重の紅斑が取り囲む標的病変(target lesion)が特徴的である.一方,TENの皮疹は広範な紅斑・水疱・表皮剥離(ニコルスキー現象),びらん,潰瘍,壊死を特徴としており,患者は皮膚の灼熱感を訴える.白血球減少,腎障害,口腔から食道,気管支の粘膜傷害が合併する

可能性

 サルファ剤,抗真菌薬(フルコナゾールなど),βラクタム系抗生物質,クラリスロマイシンNSAIDロキソプロフェン,サリチルアミドなど),アセトアミノフェン抗てんかん薬〔フェノバルビタールカルバマゼピン(台湾の漢民族ではHLA-B1502がリスク因子,ただし日本人ではこのアレル頻度は低いので関係は不明.一方,日本人ではHLA-A3101やHLA-B1511との関連が指摘されている),フェニトイン,ゾニサミドラモトリギン(特に導入時の用法・用量不適切なとき:2015年ブルーレター),バルプロ酸〕,フッ化キノロン系抗菌薬(レボフロキサシンガレノキサシンなど),アロプリノール(日本では報告数最多,HLA-B5801がリスク因子),ボルテゾミブ,副腎皮質ステロイド,ゲフィチニブ,ボスチニブ,テラプレビル,ルフィナミド,エリブリンメシル酸塩,ボノプラザン,オシメルチニブ,ペムブロリズマブ,アパルタミドなど.報告の6%は一般用(OTC)薬である(総合感冒薬が最多),下線は報告が多い薬効群または薬物

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