錐体外路症状 | 医学書院_医療情報サービス

今日の診療

治療指針

症状

　【アカシジア；静坐不能】原因薬物開始から1か月以内に，足や身体が静止できず，落ち着きなく足を動かしたり，身体を揺するような動作を示す．静止を強要されると強い精神的不快感を感じる

【遅発性ジスキネジア・ジストニア】原因薬物開始から1年前後から発症する．顔面，口部周囲や舌の咀嚼運動に似た不随意運動（ジスキネジア）と，持続性の筋緊張により斜頸，頭部後屈，体幹捻転などの異常姿勢（ジストニア）を示す

【急性ジストニア】原因薬物投与直後から数日以内に発症する．頭部後屈や後弓反張，眼球上転，舌突出などの症状を示す

【パーキンソン病様症状】投与開始から1か月以内の発症が多い．左右差のない振戦（手の震え），筋固縮（手足が固い，表情が少なくなる，小刻み歩行），寡動（一歩目がでない），突進現象などが出現する，ジスキネジアやアカシジア症状を伴うことも多い

【ドパミン誘発性ジスキネジア】レボドパ薬長期服用患者のいわゆるon-off現象でドパミンの効果が日内で大きく変動する

可能性

　ドパミンD₂受容体遮断作用をもつ古典的な抗精神病薬（ハロペリドール薬薬，クロルプロマジン薬など），非定型抗精神病薬（リスペリドン薬薬など），三・四環系抗うつ薬（イミプラミン薬など），SSRI，リチウム薬，ドパミンD₂受容体遮断作用をもつ制吐薬（メトクロプラミド薬など）や腸管運動調整薬（イトプリド薬，スルピリド薬，アクラトニウムなど），潰瘍治療薬（ラニチジン薬，クレボプリドなど），Caチャネル遮断薬（発売中止となったシンナリジンで多かった．他にニフェジピン薬，ベラパミル薬など），抗癌剤（白質脳症の1症状として生じる；テガフール薬，シタラビン薬など），降圧薬（レセルピン，メチルドパ薬），抗ヒスタミン薬または抗コリン系薬（スコポラミン薬，オキサトミド薬など）の急速減量，アムホテリシンB薬薬，アプリンジン薬，ブホルミン薬，カプトプリル