GLてんかん診療ガイドライン2018
治療のポイント
・まず意識を確認し,気道確保,呼吸・循環の安定化をはかる.
・けいれんが持続している場合は,薬物で早期のけいれん停止をはかる.
・けいれんの原因検索に加え,外傷,肺炎などの合併症検索を行う.
◆病態と診断
A病態
・けいれん発作とは,骨格筋が不随意に持続的もしくは間欠的に収縮を繰り返す状態である.
・けいれん発作の原因として,①てんかん発作(大脳神経細胞の過剰な放電に由来する反復性の発作),②急性症候性発作(脳血管障害,中枢神経感染症,頭部外傷,低血糖,低Na血症,尿毒症,薬物中毒などに伴う),③全脳虚血(失神または心停止の初期),④筋けいれん(運動中などに発生),⑤心因性非てんかん発作(PNES:psychogenic non-epileptic seizures)が挙げられる.
・てんかん重積状態(status epilepticus)とは,てんかん発作が5分以上持続するか,短い発作が発作前の状態に戻らないうちに繰り返し起こる状態である.発作が5分以上持続すると自然に停止しにくくなり,30分以上続くと中枢神経に重篤な後遺障害をきたす可能性,生命が失われる可能性があり,可及的すみやかに薬物で停止させる必要がある.
B診断
1.初期対応
・心停止直後にけいれん発作が出現することがあるため,けいれん発作を目撃した場合は,まず意識の有無を確認し,意識がなければ呼吸と脈拍の有無を確認し,必要があれば心肺蘇生処置を開始する.
・けいれんが持続していれば,けいれん発作の様式(意識の有無,四肢の強直,振戦の程度,眼球上転,共同偏視など眼位)を確認すると同時に,気道確保,呼吸・循環の安定化をはかり,抗けいれん薬投与を目的に静脈路を確保する.
・意識がある場合は,症状経過から,てんかん部分発作と筋けいれんを鑑別する.筋けいれんとの確信が得られなければ,てんかん部分
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