頻度 あまりみない
治療のポイント
・低体温症を合併している場合は,神経学的予後が良好の可能性もあるため積極的な蘇生処置を行う.
・溺水に至った原因の鑑別診断が重要である.
◆病態と診断
A病態
・身体が液体に覆われてしまった状態(気道入口部が液体に浸かった状態)を浸水,気道を含む身体全体が水没した状態を浸漬と定義している.
・浸水あるいは浸漬の結果,呼吸障害に至る過程を溺水と定義する.
・溺水による死亡を溺死とする.
・液体が気道内に入った場合を湿性溺水,入らなかった場合を乾性溺水と区別していたが,臨床上重要ではなく,AHA(米国心臓協会)ガイドライン2005でも湿性溺水,乾性溺水の用語は使用すべきではないとされている.
・溺水では,液体により気道入口部が塞がったり喉頭けいれんを生じて窒息の状態から,低酸素血症となる.
・気道に液体が入った場合は,肺胞内のサーファクタントの表面張力を変化させ肺胞虚脱や無気肺を