治療のポイント
・IABPは,血行動態をサポートする補助循環デバイスである.
・これまでACSの補助循環の主役であったが,臨床的有益性を検証する国内外の無作為化試験やメタ解析では,ACS患者に対するIABPのルーチン使用の有効性は認められていない.
・本邦の「急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)」でも心原性ショック患者に対するルーチンのIABP使用は推奨されていない(クラスⅢ).
・欧米では強力な循環補助作用をもつ補助循環用ポンプカテーテル(Impella)がIABPに代わり広く使用されるようになってきている.
・本邦でもImpellaは広まりつつあるが,使用可能な施設はまだまだ限定されている.
・IABPはその簡便さ,低い合併症率により,補助循環デバイスとして本邦ではまだ広く使用されている.
・補助循環デバイスも多様化し,それぞれ血行動態上の利点・欠点があり,対象に得手・不得手があるので,ある