診療支援
治療

大動脈内バルーンパンピング法 [■心肺蘇生・循環系の緊急処置]
☆☆☆
intra-aortic balloon pumping(IABP)
重本達弘
(大阪市立総合医療センター・集中治療センター長)

治療のポイント

・IABPは,血行動態をサポートする補助循環デバイスである.

・これまでACSの補助循環の主役であったが,臨床的有益性を検証する国内外の無作為化試験やメタ解析では,ACS患者に対するIABPのルーチン使用の有効性は認められていない.

・本邦の「急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)」でも心原性ショック患者に対するルーチンのIABP使用は推奨されていない(クラスⅢ).

・欧米では強力な循環補助作用をもつ補助循環用ポンプカテーテル(Impella)がIABPに代わり広く使用されるようになってきている.

・本邦でもImpellaは広まりつつあるが,使用可能な施設はまだまだ限定されている.

・IABPはその簡便さ,低い合併症率により,補助循環デバイスとして本邦ではまだ広く使用されている.

・補助循環デバイスも多様化し,それぞれ血行動態上の利点・欠点があり,対象に得手・不得手があるので,ある

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?