診療支援
治療

胸腔穿刺法,胸腔ドレナージ法 [■体腔,管腔の処置]
thoracocentesis,tube thoracostomy
高須 朗
(大阪医科薬科大学教授・救急医学)

A緊張性気胸に対する緊急処置

 緊張性気胸では,患側胸腔内に空気が一方的に取り込まれることで,肺虚脱,横隔膜低位,縦隔シフトなどがみられ,静脈還流障害で心拍出量が低下し生命危機に直面する.胸部外傷患者や人工呼吸器による陽圧呼吸時でその発生率は上がり,超緊急的処置が必要になる.第2肋間,鎖骨中線上で最小16Gの静脈留置針を留置する.あるいは第4~5肋間,中腋窩線上に皮膚切開を加え肋骨上縁で胸膜を開放する.引き続き胸腔ドレーンを留置する.

1.胸腔穿刺

a.適応

 胸水貯留に伴う呼吸障害に対する治療や,胸水の性状確認や細胞診などの診断的目的で行われる.

b.準備

 22~16Gの各サイズの静脈留置針(診断目的では細め,治療目的では太めを用いる),注射器〔10mL(2本),20mL,50mL〕,三方活栓,点滴用延長チューブ,消毒液,ガーゼ,ドレープ,局所麻酔薬などを準備する.

c.穿刺部位

 胸水が貯留しやすい

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