診療支援
治療

小手術手技,皮膚開放創の処置 [■外傷処置]
minor surgical technique and management for open wound
中田康城
(堺市立病院機構堺市立総合医療センター・副院長(大阪))

治療のポイント

・処置時には,必ず標準予防策を実施する.

・局所所見にとらわれず,全身の評価を優先する.

・最も求められることは,止血と清浄化,感染予防である.

・創閉鎖は,モノフィラメントナイロン糸を用いた結節縫合を基本とする.

・処置後は,創部の湿潤環境を保持するため適切な創傷被覆材を使用する.

・動物咬傷は,感染の可能性がきわめて高い.清浄化に努め,一次縫合閉鎖せず十分なドレナージが期待できるように処置し,予防的抗菌薬投与を行う.

◆病態と診断

A病態

・「創」は皮膚組織の連続性が断たれた損傷を意味し,「傷」は皮膚の破綻を伴わない真皮層までの損傷を示す.皮膚開放創は「創」にほかならず,切創,挫創,挫滅創,刺創,割創,咬創,などの創傷形態を含むcommon diseaseといえる.

B診断

1.全身状態の評価

・“血まみれ”や顔面の皮膚開放創は,目を奪われがちとなるが,直ちに処置に入るべきではない.気道・呼吸

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