診療支援
治療

damage control surgery(DCS) [■外傷処置]
☆☆☆
damage control surgery(DCS)
内田健一郎
(大阪公立大学大学院准教授・救急医学)

治療のポイント

・大量出血に伴い生理学的に破綻した患者を救命するための段階的治療戦略である.

・特に外傷患者において,死の3徴(低体温・凝固障害・代謝性アシドーシス)を回避する.

・以下の3要素から構成される.

 1)根治的な損傷臓器修復にとらわれず,止血と汚染の回避を念頭にした初回迅速手術

 2)集中治療室における生理学的機能の回復(復温や凝固の補正など)

 3)臓器損傷修復・再建などの根治術や閉創のための計画的再手術(planned reoperation)

・近年は非外傷救急外科手術症例にも応用されている.

Adamage control resuscitationとDCS

 重症外傷における出血性ショックなどの状況において,患者の生理学的予備能回復が遅滞すると,循環不全から低体温・凝固障害・代謝性アシドーシスが生じる.これらをdeadly triad(死の3徴)とよび,臨床的出血傾向が出現した場合の

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?