治療のポイント
・ギラン・バレー症候群,脊髄炎,脳炎などの合併症が報告されている.
・妊婦が感染することで児が小頭症などの先天性ジカウイルス感染症に罹患しうる.
・対症療法のみでほぼ全例治癒する疾患である.
◆病態と診断
A病態
・フラビウイルス科フラビウイルス属のジカウイルスによって起こる感染症である.
・主に蚊の媒介によって感染するが,それ以外の感染経路として母子感染,性交渉による感染,輸血による感染が報告されている.妊婦が感染すると胎児が先天性ジカウイルス感染症を発症することがあり,小頭症以外にも,白内障,聴力障害などさまざまな先天異常がみられることがある.
B診断
・潜伏期は2~7日であり,5~8割は不顕性感染である.皮疹,結膜充血,関節痛,頭痛などの症状が特徴的である.
・診断は主にPCR法による病原体の遺伝子の検出,またはIgM抗体の検出による.PCR法に用いる検体は血清(または全血),尿である.