診療支援
治療

過敏性肺炎
hypersensitivity pneumonitis
松井祥子
(富山大学教授・保健管理センター)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・抗原回避が最も重要である.

・さまざまな環境抗原の吸入により呼吸器症状が生じる疾患であり,診断後は生活環境を改善するための生活指導が必要である.

◆病態と診断

A病態

・主な病態は,外因性抗原の反復吸入による感作の成立後に,同一抗原を再吸入して肺胞隔壁や細気管支に生じるアレルギー性炎症(Ⅲ型・Ⅳ型アレルギーが関与)である.臨床経過から急性・慢性に分類される.

・急性型は,抗原曝露後の数時間で咳嗽呼吸困難,発熱などが生じ,抗原回避により症状が軽快する.トリコスポロンなどの真菌による夏型過敏性肺炎が多い.

・慢性型は,炎症の持続により線維化が生じ呼吸困難が進行する.鳥関連過敏性肺炎が多い.

B診断

・詳細な病歴聴取を行い,本疾患を疑うことが重要である.特に農夫肺や塗装工肺など,症状と関連性のある職業,居住環境,ペット,変調をきたした時期などの日常生活全般にわたる問診が必須で

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