診療支援
治療

じん肺症
pneumoconiosis
森本泰夫
(産業医科大学教授・呼吸病態学)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・対症療法が基本である.

・合併症や呼吸不全の併発に留意する.

◆病態と診断

A病態

・じん肺とは,「粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」である.代表的なじん肺である,珪肺と石綿肺について述べる.

・珪肺は,結晶性の遊離珪酸(結晶質シリカなど)を含む粉じんの吸入で生じ,典型的珪肺は,通常10~20年以上の曝露で発症する.線維化のみならず,気道の慢性炎症や気腫性変化もみられる.

・石綿肺は,通常10~15年以上の石綿の吸入曝露で生じる.吸入された石綿繊維のうち,比較的長い石綿繊維が肺に滞留し,肺の線維化の原因となる.

B診断

・じん肺法に規定されているじん肺健康診断の流れに従って診断(一定の粉じん作業歴と標準X線写真の第1型以上の所見が必須条件)を行う.最終的には,都道府県の労働局長が診断および管理区分の決定を行う.

・重症のじん肺(じん肺管理

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