診療支援
治療

循環器疾患 最近の動向
安斉俊久
(北海道大学大学院教授・循環病態内科学)

◆病態と診断

A虚血性心疾患

 急性冠症候群(ACS:acute coronary syndrome)に対して,安定冠動脈疾患を慢性冠症候群(CCS:chronic coronary syndrome)と称することが一般化され,ACSの中でも急性心筋梗塞は,閉塞性冠動脈疾患を有する心筋梗塞(MI-CAD:myocardial infarction with obstructive coronary artery disease)と冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA:myocardial infarction with non-obstructive coronary arteries)に分類する概念が確立した.トロポニン測定によって急性心筋梗塞の診断感度が高まったことにより,プラーク破綻による一過性の血栓性冠閉塞後の血栓溶解,冠攣縮や微小循環障害,特発性冠動脈解離,心筋酸素需要供給不均

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