GL不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)
GL2021年JCS/JHRSガイドラインフォーカスアップデート版不整脈非薬物治療
ニュートピックス
・バルーンアブレーションの持続性心房細動への適応拡大.
・パルスフィールドアブレーション(PFA:pulsed field ablation)のわが国への導入が期待される.
治療のポイント
・心房性頻拍性不整脈(心房頻拍,心房粗動,発作性心房細動など),房室結節リエントリー性頻拍,副伝導路を介する房室回帰性頻拍(WPW症候群など),特発性心室頻拍・期外収縮(流出路起源,プルキンエ線維関連など)は,高確率でカテーテルアブレーションにより完治できる.
・その一方で,器質的心疾患(心筋症,心筋梗塞,先天性心疾患など)に伴う不整脈や心房リモデリングが進行した持続性心房細動では,アブレーション治療後にも薬物治療やデバイス治療などの併用療法を要する.
・心房細動アブレーションの進歩:2000年前後に行われるようになった心房細動アブレーションの進歩は著しく,最近ではカテーテルアブレーション件数の70%以上まで拡大した.この間の技術的進歩は著しく,多くのアブレーションテクノロジー開発は心房細動アブレーションを目的としたものである.今では心房細動アブレーションの合併症発生率は2~3%で,心タンポナーデ,左房周囲臓器の損傷などの重大合併症は1%以下である.
A病態と治療方針
1.心房細動
心房細動は発作性(持続時間7日以下),持続性(持続時間1年未満),長期持続性(持続時間1年以上)に分類される.持続性・長期持続性は心房拡大を伴う頻度が高く,アブレーション治療に抵抗性である.発作性は肺静脈が主な発生源(80~90%)であるが,持続性・長期持続性は非肺静脈の頻度が高く,肺静脈隔離術単独での治療効果は低い.
2.心房粗動
一般的な心房粗動は三尖弁輪右房側を反時計回り