診療支援
治療

食道アカラシア
esophageal achalasia
片岡洋望
(名古屋市立大学大学院教授・消化器・代謝内科学)

頻度 あまりみない

GLPOEM診療ガイドライン(2018)

治療のポイント

・軽症例では,正しい診断,治療に至っていない症例も散見される.疑わしい症例は専門施設に紹介し,病態に即した治療が望まれる.

・高解像度食道内圧測定(HRM:high resolution manometry)はアカラシアのタイプ分類,アカラシア以外の食道運動機能障害の診断にきわめて重要である.治療効果測定にも有用性が高い.

・経口内視鏡的筋層切開術(POEM:peroral endoscopic myotomy)は低侵襲かつ有効性の高い内視鏡下治療法で,わが国を中心に急速に普及し世界標準の治療になっている.

◆病態と診断

A病態

・食道運動機能障害により,食道から胃への通過障害を引き起こす.嚥下時の下部食道括約筋(LES:lower esophageal sphincter)の弛緩不全と食道体部の正常蠕動波の消失が病態の本質であ

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