診療支援
治療

蛋白漏出性胃腸症
protein-losing gastroenteropathy
土屋輝一郎
(筑波大学教授・消化器内科)

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治療のポイント

・原疾患に付随することが多い疾患であることを念頭におく.

・治療では原疾患の治療を行うことを原則とする.

・対症療法として蛋白補充と浮腫の軽減を行う.

・微量元素やビタミンの欠乏に留意し,補充を行うことが重要である.

◆病態と診断

A病態

・胃腸粘膜から管腔内に血漿蛋白が異常に漏出し,低蛋白血症をきたす症候群である.

・成因として消化管粘膜の異常,脈管系の異常がある.

・粘膜上皮の障害では,上皮細胞間隙や潰瘍からの物理的な蛋白漏出が考えられる.

・脈管系の異常では,リンパ管圧の上昇によるリンパ液の逆流が腸管内へ漏出すると考えられる.

・腸リンパ管拡張症,クロンカイト・カナダ症候群,メネトリエ病,Fontan手術後などで認められる.

B診断

・下痢や浮腫などの症状から本症を疑い,血液検査にて低蛋白血症,低アルブミン血症を確認する.

α1 アンチトリプシンクリアランス13mL/日以上や

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