診療支援
治療

大腸憩室,メッケル憩室
colonic diverticulum,Meckel's diverticulum
中村正直
(名古屋大学准教授・光学医療診療部)

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GL大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン(2017)

Ⅰ.大腸憩室

治療のポイント

・大腸憩室出血ではNSAIDsや抗血栓薬の定期内服があれば一時休薬を検討する.

・大腸憩室出血の内視鏡的止血術はクリップ法が中心であるが,ほかにエピネフリン局注法,凝固法,結紮法がある.

・大腸憩室炎の初診時に合併症(膿瘍,穿孔,腹膜炎)の評価を行ったうえで治療方針を決める.

・大腸憩室炎で入院を要する際には,絶食による腸管安静が勧められる.

・大腸憩室炎に膿瘍を合併した際に膿瘍径が3cm以下であれば絶食,抗菌薬を初期治療とし,3cm以上であればドレナージを検討する.

◆病態と診断

・大腸憩室は,大腸の平滑筋層を貫く直動静脈の部位で形成される.大腸内の内圧上昇に伴い,脆弱である血管貫通部位の粘膜側が壁外に向かって突出し,同部は筋層を含んでいない仮性憩室がほとんどである.

・大腸憩室は右側大腸に多く,年齢とと

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